【うつ病遍歴⑦】東日本大震災
デイケアで生活リズムを戻した私は、前の会社に復職するつもりである以上、会社ある地方都市にて一人暮らしをしなければなりません。
そこで、メンタルが（超低空飛行ながらも）安定している今の機会に、会社のある街の病院へ転院しようということになったのです。
そして、私は高速バスに揺られて、会社のある街に降り立ちました。
奇しくも（作り話ではなく本当に）２０１１年３月１１日の１３：００過ぎでした。
バスターミナルからアパートへは歩いて３０分ほどです。
久しぶりの街の空気を吸いながら私はアパートに帰りました。
中に入ってみると、過呼吸で実家に逃げ帰る直前のまま、部屋はものが散乱している状態です。
食糧もインスタントなどですら1年以上賞味期限が切れて食べるものすらありません。
私は、とりあえず食糧を買い出しに行こうと車に乗り込みました。
アパートの駐車場には１年以上停めっぱなしの車があったのです。
当然、バッテリーが上がっていました。
私は、平日の昼下がりと言う誰も車を使いに降りてくる人はいないだろうなと、思いつつも、誰かに電気を分けてもらおうと車の中で時間を潰していました。
そのとき、地震が起きたのです。
長い揺れでした。
こんな長い揺れはただ事じゃないと思いながらも、車はバッテリーが上がったまま。ラジオも聞けません。さらに、そのとき私の携帯はガラケーでした。
要はなんの情報も入ってこなかったのです。
結局、１時間ほど待っても誰も駐車場にこないため、諦めて部屋に帰りました。
何の気なしに散らかった荷物を掻き分け、学生の時から使っていたアナログブラウン管テレビを付けてみると、津波の危険を知らせるニュースがどのチャンネルでも流されていました。
やはり、さっきの地震はただ事じゃなかったんだ！
私は地震発生後２時間ほど遅れて情報を手にしたのです。
もう食糧を買いに行くことすらどうでも良くなり、残っていた賞味期限切れのカップ麺を食べ、テレビに釘付けになりました。
一人暮らし再開、初日からとんでもないことになってしまったと私は思いました。
「まずは自炊をいし、掃除をして丁寧な生活をする」という基本事項が初日からできなくなってしまいました。
翌日、夜中までテレビをみていた私は昼過ぎに起き、歩いてスーパーへ向かい驚きました。
食品と言える食品が何もないのです。物流が止まり、買い占めが起こっていました。
コンビニも当然のことながら何も売っていません。
私は食糧がなく、本当に困っていたのですが、「食べ物が届かなくなる」という情報から備蓄に余裕のある人もない人もこぞって買い占めてしまったのです。
唯一見つけた食品がホームセンターで売っていた猫缶です。
買おうかとも思いましたが、家にまだ賞味期限切れのインスタント麺が残っているので保留にしました。
夢の自炊生活も初日からぼろぼろ。
それから物流が安定する１週間ほど、私はインスタントラーメンで食いつなぎました。
その間、私はテレビに貼り付けになり、生活リズムはすっかり崩れ去ってしまいました。
大震災から１ヶ月ほど経ち、私は転院先の病院での初診を迎えました。
その頃になると私は毎日流される暗いニュースと、一人暮らし初日から乱れてしまった食生活にすっかりメンタルがやられてしまっていました。
日本全土に多大な影響を及ぼした東日本大震災は、私のメンタルにも多くの影響を及ぼしたのです。
転院後一人暮らしを維持できればならし勤務、そして復職、という話になっていたのですが、かなり後退しての一人暮らし再スタートとなりました。
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